ひきこもり支援ハンドブック〜寄り添うための羅針盤〜

厚生労働省から「ひきこもり支援ハンドブック〜寄り添うための羅針盤〜」が発表されました。

これは支援者向けに、ひきこもりの当事者とそのご家族をどうサポートしていくかを、多くのケースを交えて説明したものです。

個人的な感想として、とてもよくできていると思います。
今までの医学モデル(ひきこもりの当事者を治療の対象として捉える視点)を中心とした支援の展開から、社会モデル(ひきこもりの当事者と社会の間にある障壁を取り除く視点)を中心とした支援の展開に変更し、「自立」より「自律」=自己決定を重視していることにとても共感できます。

ひきこもり支援に対してソーシャルワークの視座に立ち、ひきこもり当事者やその家族との信頼構築、環境と人の相互作用という視点、他職種(行政、民間を問わず)での連携を”行政”に促していることも評価できます。

ただ今回のハンドブックは「羅針盤」という言葉が示すとおり、進むべき方向性を示したに過ぎず、たくさんの事例が掲載されているものの、どのようにそれらを実現していくかという具体的な方法論や技術には言及していません。

例えば官民交えた地域での協働体制を作っていくことには市民活動のノウハウが必要でしょうし、ひきこもり当事者やその家族へのサポートには心理的な専門性が必要だと、これまでのコブルでの活動から感じています。

とはいえ本当によくできているハンドブックです。支援者だけでなくご家族といったひきこもりの当事者に関わる人はみんな一度は目を通しておくべき内容だと思いますので、ぜひご覧ください。

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