事務所を1歩出ると、裏の山にある蝋梅からなんともいえず良い香りがします。
年が明けて新たな1年がスタートしたな、とそんな気持ちです。
先日、NPO法人CCVのスタッフ様向けにひきこもりの方をサポートするための勉強会を開催しました。
NPO法人CCV様の詳細はこちら ⇨ https://www.ccv-npo.jp
その勉強会の資料作りが、今まで自分がどうサポートしているか、そして学んだり、実践した経験をあたらめてまとめる機会になりました。
こちらのブログでも少しづつご紹介できたらと思います。
ひきこもりの方をサポートする時に考えていること
ひきこもりの方をサポートする目的は?と聞かれたら「当事者が “なりたい自分” を家族と相談して決め、それに向かって歩き出すこと」かなぁと思います。
ただ、その「歩き出すこと」のためにすることは
(なんでもいいから)変化を起こす
これに尽きると思います。
状況が変わらないから状態も変わらないのです。まず考えるのは「どうやったら何かしらの変化が起こるか」です。何かしらの変化を起こしたことで何が起きるかは予想できませんが、状況とはドミノ倒しと同じで、どこか倒れやすい(=変化しやすい)ところを倒していく(=変化させていく)と、その影響は波紋のように広がっていくものだと考えます。
ひきこもりが継続している方のご家族からお話を伺うと、今まで当事者をサポートされていたご家族や、あるいは支援機関のスタッフ様が説得や、時には叱咤激励、見守りなどを心を込めてなさってきたことがよくわかります。
そうであるにも関わらず、なかなか状況が進まず長期化してしまう。
コブルがサポートするのは、そんな案件がほとんどです。
まず前提として頭に入れておくとよいことのひとつは
今まで行ってきたことが功を奏さないなら、それがどんなに社会通念上正しくて、常識的で、暖かい愛情のある行為だったとしても、状況を変化させることに対して効果はない
ということです。(=「今の時点では効果がないことがわかった」ということ)
だからといって「こんな程度の社会常識も通用しないのは本人が悪い」と当事者に原因を求めても、同じく状況を変化させることに効果はないです。何か、誰かに原因や責任を求めても変化を起こすことには寄与しません。
「変化に寄与すること」は変わりやすい何か、誰かを変えていくことなのです。
例えば
「子どもが暴れることが続いていたけれど、ある時に本人が暴れて大怪我をしたので救急車を呼んで処置してもらったら、その後はあれだけ嫌がっていた病院へ通うようになり、処方された薬を飲むようになってだいぶ落ち着き、今は暴れることがなくなりました」
といった偶発的に起こる変化から
「(訪問サポートを開始して)子どもの話を聞いてくれる人ができたことで、本当に落ち着いてくれて、暴言を吐かないようになりました」
というような家族以外の第三者と接するようになったことで変化が起こることもあります。
そして何をどう変えるかは、当事者やそのご家族によって様々なのでここではっきりとお伝えできませんが、
・取り組みやすいこと
・協力が得やすい人を選ぶ
・具体的であること
・効果が期待できること
あたりのバランスを考えながら決めていくことになります。
当事者が変わるのがよいからといって、会うこともできない状態ではアプローチが難しい。その場合は協力が得やすい人=ご家族に何か取り組んでもらう方がよいでしょう。
ご家族に取り組んでもらうことが「子どもに優しく接する」だったとしても、普段の生活の中で具体的に何をしたらいいのかわかりづらいでしょう。「子どもの話を相槌を打って、黙って聞く」ならできるかもしれません。
・・・といった考えで変化を起こしていくことを目指しています。
次回はいくつかある「サポートする上での前提」についてさらにご紹介していこうと思います。