県議会傍聴に行ってきました。
栃木県の種苗に関する条例が他県に比べて異常だという話が気になったので生まれて初めて議会の傍聴に行ってきました。
伝え方が9割
条例内容については、はっきりいってよくわかりません。条例文もその問題点をまとめた文も読みましたがピンとこない。恣意的に解釈すればいくらでも好き放題できる内容なんだろうというぐらい。彼らのお得意のアレです。
これは普段から種子、育苗、栽培に携わる農家さんなどで、特に有機栽培や在来種、固定種などに見識のある人でないと「具体的に」どういった場面でどんな不都合が起こるのかイメージできないからだと思う。でもそんな人達が危機感を感じているなら、やっぱりこの条例は大変なことなんだろう、という認識でいます。
ただそれを伝える側にも改善すべき点があるんだろうなぁと。他の人に比べれば少しは種子のことに関して知識のある僕が読んでもよくわからないものは、知識や関心のない人にはもっとわからないだろうなぁ。
そして賛成する人には賛成するなりの理由がある。この条例が持つプラスの面もあるはずで、メリット・デメリットがちゃんと比べられるような伝え方も大事なんではないかと。相手とコミュニケーションを取るには相手と同じ言語を使い、根底にある価値観に配慮するといい。相手は経済第一主義なんだろうから、経済の面でどんなメリット・デメリットがあるのか伝えるとか。今回の件は短期的には得でも、長期的には明らかに損をする内容なんだから。
無関心に立ち向かう
そして今回の種苗に関する条例の可決は結局のところ、県民の政治に対する関心、農業に関する知見、未来に対する責任意識が薄いことに起因している。国政と全く同じ。
県議会議員さんに何かいっても仕方ない。彼らは県民の意思で動くのであり、この件について県民にどうしたら危機感を持ってもらえるのか、理解をしてもらえるのかなぁ・・・なんてことを考えていました。それ以前に僕自身が種子のことについてもう少し知らないとなぁ・・・。
先日、2018年のノーベル平和賞を受賞したデニス・ムクウェゲ医師が来日して各地で講演をしていました。今回の来日でムクウェゲ医師の講演が聞けなかったことを残念に思っていたのですが、NHKのニュースで「みんなが無関心に立ち向かっていくことが重要」と話されているのを見て勇気をもらいました。
フェアトレードってなかなか伝わりにくい。
海外でコーヒー、カカオ、砂糖などを作っている人達の生活環境や教育環境がまだまだ不十分であることは、日本にいると見えにくいけれど無関係なんてことは決してない。
政治もフェアトレードも無関心に立ち向かっていくことなんだ、と腑に落ちた。