初めての「Barこもりびと」にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。お酒を飲みながら、和やかな雰囲気で話が進んでいきました。
ご自身の今の気持ちを伝えてくださったり、お子さんのひきこもりについて相談してくださったりした方もいらっしゃいました。そういった親御さんへ自分の考えを話してくれたひきこもりの当事者もいらっしゃいました。
人前で自分のことを話すのは、とても勇気のいることだったと思います。
夏休みの終わり、子どもの自死が増える時期に初めてこういったイベントを実施しましたが、みなさまのおかげでとても意義深いものになりました。
今回のイベントで寄せられた質問、普段の活動でよく尋ねられることの中から、いくつかご紹介したいと思います。対応に正解はありませんので、あくまで個人的な見解としてご覧ください。
今後もリクエストがあれば実施したいと思います。
Q&A
Q 子どもが「学校に行きたくない」というのですが、どうしたらいいですか?
A 「学校に行きなさい」「学校に行かなくていい」「なんで行きたくないの?」といった行動を指示する言葉、行かないことを責めていると捉えられかねない声がけは避けた方がいいです。「学校に行きたくないのは、何か不安なことがあるのかな?お話を聞かせてくれる?」といった傾聴を心がけるのが基本だと思います。傾聴したのちに学校へ行くか行かないかを子ども自身で決めてもらうことが大切です。
Q 子どもがゲームをしたり、ネット動画をみてばかりいますが大丈夫でしょうか?
A 当事者の話を聞くと「本当に楽しいからやっている」ということだけではないようです。やることがなくて、でも何かをしていないといろいろと考えてしまって不安になったり焦ったりするから、気を紛らわすためにしているという面もあります。自分を守るためにしている行動ということもできますので、完全に禁止するのはよくないと思います。あまりに長時間にわたって行っているようなら、ご本人と話し合い、時間の決まりを作るのも良いと思います。この時に「長時間のゲームや動画視聴が体に与える影響」「SNSなどの利用時に注意した方がいいこと」などを伝えてICTリテラシーを学んでもらうのも有効です。「ゲームや動画視聴をやめたところで子どもが学校や仕事へ行く、勉強をするようになることはない」ということも理解しておく必要があります。
Q 子どもが学校へ行き渋ります。どうしたらいいですか?
A 行き渋るということは、学校へ行ってくれる時もあるのだと思います。登校できている日にどんなことが起きていますか?楽しい授業がある日?朝、スッキリ起きられた日?着替えがすぐにできた日でしょうか?よく観察して、起きていることを再現する方法を探してみましょう。完璧を求めすぎず「給食だけなら食べられる」「保健室なら行ける」「午後からなら登校できる」ということがあれば、まずはそれでもOKです。また学校へ行った後の子どもさんの様子はどうでしょうか?行き渋るが、行ってしまえば「楽しかった」という場合もあります。行き渋っている時に、その「楽しい」気持ちを思い出してもらえるような声がけも有効だと思います。
Q 子どもが「死にたい」といっています。どう声をかけたらいいか迷います。
A 「死にたい」というのは「死にたくなるほどつらいことがある、助けてほしい」ということです。「バカなことをいうな」「死なないで」といった声がけは子どもの「助けてほしい」という訴えを否定することになりますので、やめた方がいいと思います。「何かつらいことがあるなら、話してほしい」と声をかけてみてください。話を始めたら、途中で口を挟まずに聴くことに徹してください。