ひきこもりは、その人が弱いから起きるのではありません。
家族との関係、学校や職場での出来事、社会とのつながり方など、さまざまなことが重なったときに、その人の上に「現れる」ものだと私は考えています。本人が望んでそうなったのではなく、本人を取り巻く環境との相互作用の中で、気づけばそうなっていた。そういうことがほとんどです。
だから「なぜうちの子が」「自分がダメだから」と思う必要はありません。ひきこもりは、特別な人にだけ起きることではなく、環境や状況によって誰にでも起こりうることです。原因を探して誰かを責めても、状況はなかなか変わりません。それよりも、今この状況をどう整えていくかに目を向けることが大切です。
私が大切にしていることの一つは、ひきこもりを「治すもの」として捉えないということです。
ひきこもっている状態は、その人が今の環境の中で、自分なりに折り合いをつけようとしているサインでもあります。それを無理に解消しようとするのではなく、その人が本来持っている力が発揮されやすい環境を、少しずつ整えていくことが大切だと考えています。
ゴールは「社会に出ること」ではありません。その人がその人らしく生きられるようになること。それが少しずつ実現されていく中で、自然と外との接点が増えていくことが多いです。
ひきこもりの方へのサポートは、その人の人生の一部に、一時的に関わらせてもらうことだと思っています。

