自分の子どもがひきこもりになった、ひきこもりはじめて長い時間が経つが一向に変化が見られない・・・。
ひきこもっているけれど、この先のことを考えると不安になる・・・。
そんな皆さんの「どうしたら?」に、コブルなりにお返事します。
何事にも「正解」はありません。一人で悩むより、一緒に考えていきましょう!

 

ご両親からの質問

Q:子どもがひきこもりや不登校になったのは、親のせいなのでしょうか?
A:ひきこもりや不登校になる原因は様々にあり、それらが複雑に関係しています。またひきこもり始めたきっかけと、ひきこもり続けている理由は別である場合も多く、誰に責任があるかを考えることは重要ではありません。ひきこもっているご本人がどうしたら、その人らしくいられるかを考えることが大切です。

Q:子どもをなんとか外に出したいと思います。何かいい方法はないですか?
A:ご家族の焦りからくる叱咤激励は、ご本人の「自分の気持ちがわかってもらえない」という思いを強めることが多く、家族関係の悪化が懸念されます。無理矢理に外へ出そうとするのではなく、まずはご本人が安心して過ごせる環境を整えることが大切です。そしてご本人の状況に応じて適切な関わり方をすることが求められます。適切な関わり方については、相談・支援機関と一緒に相談しながら考えていくことをおすすめします。

Q:子どもが「こうなったのはお前のせいだ」「死にたい」というのですが・・・。
A:これらは「このようにいいたくなるほど今がつらい」という子どもからのメッセージです。頭ごなしに「自分(子ども)の責任だろ」「死ぬなんていわないで」といわず、「それぐらいつらいんだね。よかったら気持ちを話してくれる?」と話を聞いてあげてください。理不尽な話でも意見やアドバイスは禁物。「そうなんだね」と聞くことに徹してください。

Q:子どもが暴力を振るいます。
A:断固拒否しましょう。「暴力は嫌だ」と伝え「暴力はダメ」とは言わないようにします。暴力が起こりそうな話題は避け、親戚や友人など第三者がよく来る環境を整えることも効果的。慢性的な暴力に対しては警察に通報します。それでも治らないなら一時避難(ホテルや親戚の家など)を検討します。ただ、暴力も一つのコミュニケーションです。要求を通したいだけではなく、何か伝えたいこと、聞いてほしい気持ちがその奥にはあり、今はその伝え方が不適切だということです。

Q:子どもとの会話はどうしたらいいですか?
A:将来の話(あなたは何がしたいの?)、学校や仕事、同世代の友人の話(特に子どもとの比較)、正論、説得、議論はやめましょう。話すならアニメ、ゲーム、ニュース(ただしひきこもりや仕事については避ける)、スポーツ、バラエティーなど本人が話しやすく興味のある分野がおすすめです。まずは子どもがいつでも安心して会話できる環境を築きましょう。

Q:兄弟姉妹はどう接したら?
A:傾聴、買い物や病院などの付き添いぐらいが望ましいです。説教や干渉はさせないこと。兄弟姉妹は自分の生活があるので、そちらを優先してもらって下さい。ご本人への支援を協力してもらうと、兄弟姉妹がご本人に対して悪い印象を持ちかねません。それは親なき後に家族関係の悪化につながります。

Q:高齢のひきこもりの子どもがいます
A:ライフプランを練ってご本人と相談しましょう。具体的に資産、収入、支出を計算し「〜歳までなら面倒を見られる」といった見通しを立てて話し合います。高齢の子どもには「就労」ではなく「社会的なつながり」を作ることを大切にします。ご自身の生活と子どもの生活を切り離し、それぞれのライフプランを考える必要があります。

Q:病院には連れて行くべきですか?
A:状態によっては連れて行く方がよいですが、まずは親だけで受診、相談を。ひきこもりに知見や思いやりのある医師か、状態を説明して精神疾患などの疑いがあるか、の2点を確認しましょう。その上で本人に同意をとった上で受診します。ちょっとしたことで心配になって子どもを連れて行ったら「こんなのよくあること」「ひきこもりは気合の問題」などといわれてしまうと、子どもは「病人扱いされた」と思い、家族関係の悪化が懸念されます。

Q:子どもにお小遣いは必要ですか?
A:必要だと思います。消費は社会参加の第1歩です。社会とのつながりを保つためにも本人と相談して金額を決めましょう。ただし、すぐに使ってしまって追加で求める場合は拒否を。毎月渡す金額を一定にし、自己管理をしてもらいましょう。それが難しい場合は毎週、毎日と渡す期間を短くしてもいいと思います。

Q:ゲームやネット、動画視聴ばかりしています。
A:やることがないし、何もしていないといろいろ考えて不安になるので没頭している可能性があります。禁止するのではなく、何か別の本人が楽しめることを探す方がいいです。 小さなお子さんの場合はネットリテラシーを教えることが大切。またネットやゲームの約束はまず守れないのでおすすめしませんが、約束するならご本人と話し合って決めて下さい。なぜゲームなどの時間を制限したいのか、説明することが必要です。そして一緒にゲームなどを楽しむのもよいです。楽しさは分かっているけどやめようといえるでしょう。もしゲーム機器を取り上げるなら、いつまで取り上げるかを先に決めておきましょう。ゲーム機やPCの所有権は親にしておき、それらを「貸してあげている」という状態が望ましいです。 大切なのは、ゲームなどをやめさせたからといってその後、親にとって望ましい行動をすることはまずないと理解しておくことです。

Q:子どもが学校に行きたがらないのですが・・・。
A:学校へ行きたがらないときは子どもの心が疲れているサイン。「学校へ行きなさい!」といった登校刺激を与えるのはやめて、まずは休ませることが大切です。そしてゆっくりと話を聞いてあげましょう。心の疲れが癒えてエネルギーが溜まってきたら、徐々に登校について本人と相談しましょう。

Q:子どもの学力の低下、学習機会が減ることが気がかりです。
A:勉強はやる気が起きたときに始めれば大丈夫です。勉強の遅れは十分に取り戻すことができます。学校の成績も大切ですし、子どもの興味を広げる機会を増やすことも大切です。学びの場は学校以外にも、フリースクールや通信制、定時制などがあります。不登校でも高校、大学への進学は可能です。

 

 

ご本人からの質問

Q:イライラしたり、不安になったりと心が落ち着きません。どうしたらよいですか?
A:イライラしたり、不安になったりする理由に心当たりはありますか?その時、自分の頭にはどんな言葉が飛び交っているでしょう?「あいつが悪い!」「なんで◯◯なの?」「もう嫌だ」などいろいろあるかもしれません。そういった考えを手放すために、深呼吸をしてみましょう。「4秒吸って1秒止め、8秒吐く」を、秒数を数えながら繰り返します。数分経つと落ち着いてきます。落ち着いたら自分のこと、周りの人との関係を見つめ直してみてください。相談機関や医療機関のような専門機関に相談してみるのもよいです。

Q:外に出たいのですが、人が怖くてできません。
A:まずは人が少ない時間帯、経路を選んで外に出てみてはいかがですか?5分でも外に出られたらOK。慣れてきたら10分、15分と無理なく時間を伸ばしていきます。小さな目標を立てて、少しずつ実行し、自分にたくさんOKを出しましょう。人が怖いことの理由はなんでしょう?カウンセラーや医療機関などの専門家に相談し、一緒に考えていくのもよいと思います。

Q:時々死にたいと思ったり、自分が生きていてはいけないような気分になったりします。
A:そのように思ってしまうほど、つらいことや自分一人では解決できない問題を抱えて疲れてしまっているのではないでしょうか?あなたのその気持ちを誰かに話すと楽になることもあります。そういった相談を受けている電話、SNS相談、ライン相談もありますので利用してはいかがでしょう?

Q:親が心療内科への受診を勧めるのですが、受けた方がいいのでしょうか?
A:医療機関は、あなたに必要なアドバイスや相談に乗ってくれる可能性があるところでもあります。もし今、あなたにとって何かつらい状況があるのであれば、医療機関に相談してみることも一つの方法です。相談してみて特に問題なければ安心ですし、本当に何かあった時には、その後も受診しやすくなるのではないでしょうか?

Q:親がカウンセリングを勧めるのですが、受けた方がいいのでしょうか?
A:あなたに何か解決したい問題や、抱えている辛い気持ち、不安な気持ちがあるならば、カウンセリングを受けてみてはどうでしょう?カウンセリングでなんでも解決できるわけではありませんが、自分を変えていこうとする気持ちがあれば役立つと思います。具体的に何を話せばよいかわからないのであれば「親がカウンセリングを勧めたので来たが、何を話せばよいかわからない」とそのまま伝えるのもよいです。

Q:全くやる気が出ません。好きだったはずのゲームや動画視聴も最近は楽しくありません。
A:やる気が出ない、楽しめない自分に戸惑っているとお察しします。そのような状態が長く続いたり、繰り返したりするなら、それは気力の問題ではなく「うつ病」などのこころの病気かもしれません。こころの病気になると心や体に様々な症状が出ます。医療機関に相談すると改善する場合がありますので精神科、心療内科を受診してみてください。いきなり医療機関へは行きにくいのであれば、かかりつけ医や保健所、精神保健福祉センターでも相談ができます。

Q:友達を作りたいのですが、どうしたらよいでしょうか?
A:今、ひきこもった状態であらたに友達をみつけることは難しいことですが、あなたがひきこもりの居場所に出かけることができれば、そこには「ひきこもり自助グループ」などがあります。またSNSを使えば自分と同じ趣味の人と交流することもできますので、友達をつくる機会ができます。人はみな自分なりの個性を持っています。そうしたお互いの個性を尊重しあって付き合いましょう。

Q:コミュニケーションが苦手で人間関係が苦痛です。
A:コミュニケーションがうまくいかず、周囲の人とうまく関係が築けないことがつらいのだとお察しします。自分のことがわかってもらえずイライラすることもあるでしょう。人は誰でも違った性格、個性を持っています。そうした個性に合わせた人づき合いをすることで、生きやすくなると思います。そういう工夫や方法について専門機関で相談してはいかがでしょうか。

Q:長い間ひきこもっているのですが、はたして働くことはできるのでしょうか?
A:スタートラインに立つ一歩を踏み出す勇気さえあれば、長い間ひきこもっていたとしても働くことはできます。ただ「ひきこもりから立ち直ったら次は就職だ!」と慌ててハローワークや就労支援機関に通い、採用面接で失敗したり、うまく就職できても仕事先で人間関係などのトラブルを抱えたりして、またひきこもってしまうことになる場合があります。焦る気持ちはよく分かりますが、まずはご本人の体力やこころの状態を把握し、そこからどのような道に進むのかの目標を、無理のないステップで作ることが大切です。

Q:相談してって言われても、何を話していいかわからない。
A:ひきこもりになった経緯、普段の家族とのかかわり、思っていることなど、話せる範囲で構いませんので話してみてください。話すことでいままで知らなかった情報を得たり、自分の考えや気持ちを整理したりすることが、変化のきっかけになるかもしれません。