ひきこもり

お子さんから「話を聞いていないといわれたら」(後編)

お子さんから「話を聞いていないといわれたら」(前編)からかなり時間が経ってしまいましたが、続きを書いていきます。

僕の学んできたことと、実際の対応から経験したことをもとにしております。一つの意見として読んでいただけると幸いです。

前編では以下のうちの1と2について説明しました。

  1. いわれる言葉をそのまま受け取らず、裏にあるメッセージを考えて、言葉にして伝えてみる
  2. できない要望をされたら、他にできることを一緒に考える
  3. お子さんが興奮して話し合いにならない、延々と同じ話を繰り返す時はタイムアウト(一時的に距離・時間を置く)
  4. お医者様だけでなく、行政や民間の支援団体を通して、親御さんもお子様も社会的なつながりを作る

今回は3と4について考えてみたいと思います。

 3. お子さんが興奮して話し合いにならない、延々と同じ話を繰り返す時はタイムアウト(一時的に距離・時間を置く)

お子さんの話に共感すること、そしてお子さんの気持ちが楽になるよう一緒に考えていくこと。
この2点がポイントですが、それでもお子さんが興奮したり、同じ話を繰り返すことで話し合いにならない場合があります。

「我を忘れる」という言葉がありますが、興奮したりパニックになったりすると、いくらこちらが共感をしても、提案をしても全く頭に入りません。その場合はタイムアウト(一時的に距離・時間を置く)がお勧めです。

「ちょっとお互いに落ち着いてから、またあらためて話しましょう。あなたの話したことを私も考えるから、あなたも私の伝えたこと、少し考えてみて」

といった具合です。それでもいろいろと話を続ける場合は、やはり話を続ける気持ちに共感した上で、再びタイムアウトを提案し、その場を離れます。

 4. お医者様だけでなく、行政や民間の支援団体を通して、親御さんもお子様も社会的なつながりを作る

お子様の抱えている困難な状況は
① 生物学的側面 (健康状態など身体的機能)
② 心理的側面(意欲の有無、気持ちの浮き沈みといった精神状態)
③ 社会的側面(家族や友人との関係や、利用できる社会資源の有無)
に分けて把握する必要があります。

お医者様が担ってくださるのは、基本的には①と②です。ただ体、心がつらい状態を脱し、社会へ復帰していくには③も重要となっていきます。

普段、家以外で過ごせる居場所や悩みを聞いてくれる人、同じ趣味を持つ友人、就労を手助けしてくれる施設など、様々な社会資源と今からつながっておくことで、社会復帰はスムーズなものとなります。

ということで前後編合わせて4つのポイントを説明しましたがいかがでしたでしょうか?
基本的なことなので「釈迦に説法」だったかもしれませんが、もしお困りでしたらご相談ください。

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